あの頃、周富徳と
2007.11.28(Wed)

これはチェ・パイマン、後の周富徳が故郷の香港を捨て、日本の横浜に単身渡った直後の話である。


深夜0時、人通りの少ない道にぽつんとラーメン屋があった。
チェ・パイマンは神妙な顔で暖簾をくぐり、カウンターに座ると水を一杯所望した。

「お客さん、ウチはラーメン屋なんだがね。」

店主は珍客に思わず愚痴をこぼし、めんどくさそうに蛇口をひねってコップに水を注いだ。

「ほら一杯だけだぞ。ったく、商売にならねえよ。」

チェ・パイマンは礼も言わず、出された水をゴクゴク飲んだ。そして飲み干すと二杯目を店主に要求した。

「二杯目が欲しけりゃうちのラーメンを頼みな。そしたらいくらでも飲ませてやる。何なら土産にやらあ。」

店主は拭いていたラーメンの丼を荒々しく置いた。

チェは不適に笑い、懐から拳銃を取り出し銃口を店主に向けた。

「こんな薄汚いラーメン屋で食事をする用事はないんでね。俺は水だけでいい。」

「てめえ、そう言う事か。ちっ仕方ねえ、金なら奥だ。持ってきな。」

店の奥からはテレビのバラエティらしい音と子供の泣き声が聞こえた。

「お前は何か勘違いしてるようだな。俺が欲しいのはお前の命だ。」

「ま、待て、何で俺がお前に殺されなきゃならんのだ。」

「理由は知らない。俺は任務を遂行するだけだ。最後に言いたい事はあるかね?」

「俺には子供がいるんだ。」


「あ」


店主は倒れた。いつのまにか子供の泣き声は止んでおり、静寂が辺りを包んでいた。

周富徳は拳銃を懐にしまうと、「死人の作るラーメンは食いたくない。」と言って店を出た。


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// 04:19 // 私の創作物 // Trackback(0) // Comment(2)
 一言
2007.11.25(Sun)

村山由佳の「おいしいコーヒーの入れ方」を読んでこんな恋愛ができたらいいのに、と憧れていた時期が自分にあったことがおぞましい。

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// 04:41 // 私の過去 // Trackback(0) // Comment(0)
 sexy boy
2007.11.21(Wed)
先日、俺は男子たる行いをするため暗闇で光るPCを前にごそごそと奮闘していた。
「姉を攻める弟(ショタ)」という、ある程度の熟練者レベルに好まれるシチュエーションを求め、手当たり次第キーワードを入れて検索を試みて落とした動画を順番に観て行った。
どれも下手な女優の三文芝居で興が冷め、次の動画がダメなら諦めて自前のコレクションでフィニッシュを決めようと決意した。
願をかけながらその動画を開くと、ホームビデオ風の映像でどうやら素人の裏物らしかった。これは期待できそうだとしばらく見ていると、何か様子がおかしい。
野球のユニフォームを着用した中学生ぐらいの男しか映っておらず、彼がおもむろに衣服を脱ぎ始めたのだ。被写体を間違えていないか、と画面に思わず突っ込み、しばらく見ていると、今度は青年の包茎ち○こがアップで映し出され、手淫を始めたのだ。
ここで姉やらなんやらが出てきて、彼の手助けをすれば歴史に残る名画に違いないが、そんな成年コミックのような展開は用意されていなかった。
映像が暗転した次の瞬間、全裸の青年が全身をクネらせ、パンティを履いていたのだ。そして男根の形が魚拓をとった様にくっきりと浮かび上がった。
その衝撃映像に度肝を抜かれ、右手が握るべき対象を見失った。
それから動画はさらに熾烈を極め、男と男の織り成す淫靡な世界が広がっていた。
俺は意気消沈し、その日はそのまま就寝した。


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// 11:12 // 私の近況 // Trackback(0) // Comment(4)
 ツンデレ婆さん
2007.11.18(Sun)

「べ、べつにあんたがいつおっ死んじまってもかまわないだよ、こっちは。」

そう言いつつも、日々の献立でお爺さんの健康に気を使うお婆さん。


後記:
ツンデレでもなんでもないし、書いてて泣けてきた。すいません。


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// 08:30 // 私の創作物 // Trackback(0) // Comment(0)
 ツンデレは見ている
2007.11.17(Sat)

「べ、別にあんたを待ってたわけじゃないわよ。
あんたが今朝起きるのが遅くて、布団被ってるのを無理やりおばさんに剥がされて、それから眠気眼でテーブルに着くと目玉焼きを白身だけ食べてから急いでご飯を口に含んで牛乳で流し込んだ後、洗面台に行って残り少ないライオンの歯磨き粉のチューブを捻り出して歯を磨いてから、慌てて制服に着替えて家を飛び出したところを、ちょうどあんたの玄関先で見掛けただけよ。ほんと偶然すぎて神を呪うわ。悪夢よ。」

彼女の弁解はもっともらしかったが、細かい事実をなぜ知っているのかなぞであった。

「それとあんた、お弁当忘れてるわよ。まったく世話が焼けるんだから。」

言い終わると、彼女はスクールバックからピンク色の包みの弁当箱を取り出し、絆創膏の付いた手で照れながら男に渡した。



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// 06:25 // 私の創作物 // Trackback(0) // Comment(2)
 嫌・婦女子流
2007.11.14(Wed)




よく匿名掲示板等で「私オタですが、普通に彼氏いるしラブラブです。」のようなコメントを見かけるが非常に腹立たしい。
なぜなら、オタと言う「負」のイメージを、異性と付き合っている事実で払拭しようとしている狡さが伺えるからだ。
こうした傾向は女性に多く、匿名掲示板であるにも関わらず、彼女らは個として存在している。「私は女よ」と、心の叫びが聞こえてくるようで何とも切ない話だが、隙があれば色目を使うので油断できない。

一番やっかいなのは、狭い交流範囲で彼氏を作った腐女子である。
仮に、オタク・コミュニティの男女比を7:3ぐらいと仮定しよう。その中にいる女で顔立ちが多少整っていて、化粧・髪型等男好みするように整え、声帯をアニメ声優のように駆使し、さらに自己主張せず大人しくしていれば、男は放っておかない。
一方、男の場合だとそういうわけにもいかず、男は先天的にオシャレし辛く、女のように自分を演じることも不得手である。
また、男女比率の関係でいつも男同士の争いは絶えない。
いくら二次元の女性好みとは言え、嫁を作って子を産み、一族の血を途絶えさせまいとする本能はある。
彼らは日頃から女性の扱いを遊戯としているだけのことはあり、女性への気の使いはむしろ一般男性よりも優れ、アフターケアにも定評がある。
さらに彼らには己が「主人公」という意識があり、見えないところで車に轢かれ掛けた猫を救ったり(にもかかわらずヒロインは現場を見ていた)、自分には敵と戦う為の開発されてない未知の能力があるのだと思い、日々のナイフ投げのトレーニングは欠かさない。
だが、そんなアドバンテージがあるにも関わらず金持ちのイケメンライバルに出し抜かれたりする。自分の知らないヒロインの素顔を知り、愕然とし、所詮俺はつまらない愚にも付かないオタだと一時諦める。
しかしある日、思い出の通学路(猫を救った)で偶然ヒロインと出くわし、その時はじめて彼女の心の底が知れる。彼女は涙を目に浮かべ

「私が○○(相手の名前)のオタクでも嫌いにならないでね。」

とうまいことを言ってオタに抱きつき、それから思わず嘔吐。男の方も負けじと

「俺は○○(ヒロインの名)と添い遂げる!(08小隊)」

と声を張り上げ、強引に彼女を抱きしめる。(もちろんその時男のペ○スは大きく、また硬直しているのだが。)
これでめでたくハッピーエンドだが、これから味の無いガムみたいな恋愛が続くと思うと可哀想になる。


以上より
ブス腐女子は「自分は恋愛もヲタもこなしている」と言う、堂々とした態度を改めるべきである。


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// 06:42 // 私の思ったこと // Trackback(0) // Comment(8)
 駆け抜けて青春
2007.11.08(Thu)

昨日、駅前で女子大生風の二人がにニコニコしながらチラシを手渡してきたので、思わず受け取ると、そこには名前も聞いたことの無いような大学の学祭の案内が書いてあった。
そうか、もう学祭のシーズンなのか、と思うと同時に自分が大学生であるという設定を思いだした。
おそらくうちの大学にも学祭はあるだろうが、自分にはもともと、サークル活動といった共同体に属して何か打ち込む気概もないし
「祭」と名のつく物は避けてきた人間だ。まして、祭のシーズンが来るたびに、年中儀式や祭をやってる土民と比較して「俺はより進んだ文明人である」と自分に言い聞かせてきたぐらいだ。

しかし、いくら俺が一歩先を行く文明人だとしても、時には土民の生活に憧れてしまう。
仲間と共に安っぽい食べ物を売ったり、お化け屋敷でこんにゃくを吊るす演出をしたり、新聞の切り抜きを張っただけのクソみたいな研究を展示したり・・・何でもいいからとにかく雰囲気を味わいたい。そしてたまには交尾を匂わす人間の姿をした雌猿共と獣のように戯れたい…。

思えば高校の時の苦い思い出が、こういった幻想を産み出しているのだろう。
俺は生まれて此の方、文化祭というものをまともに経験していない。
参加しなかったのは自分の意思もあったが、高校のシステムが俺を拒絶したからだ。

当時、俺の通っていた高校は、部活単位で行事をする奇妙な形式をとっていた。例えば体育祭は部活単位で紅白に分けて競いあう。文化祭もその例に倣い、部ごとで出し物をした。
しかしそういった形式が可能なのは校則である「部活の強制参加」という効力が存分に発揮されなければならない。俺のような部に籍を置くだけの怠け者は一切関わることができなかった。


ここまで聞けば、当日参加しなければいいだけの話だが、うちの高校は午前だけ授業をしてから学祭の準備を行う、準備期間というやっかいなものが存在した。
その期間はいかなる生徒も通常の授業終了時刻になるまで外に出ることが許されなかった。例えば何か買出しに行く場合、担当の教員に許可証を貰い、校門で検閲を行ってからようやく外出でき、また例え作業が早く終わっていても、校庭の草むしり等、他の作業に回されるので誰一人としてフケることができなかったのである。(というより、うちの高校は進学校だったせいか、真面目な生徒が多かったので、そんなことを思いつきもしなかっただろう。)
よって事実上、学校は牢獄に等しかった。

俺は例によって幽霊部員だったので、その日は午前の授業だけでて後は帰宅するだけだった。
実際、教員の目を盗んで、校門ではない別の場所から外に出ればいいだけの話だが、一つ問題があった。今朝、チャリを駐輪場にとめていたのだ。

チャリに乗ったまま(もしくは引いたまま)、校門以外から抜けられる道はない。あるいはチャリを置いていくか。しかし片道30分のチャリ通学、歩きで下山(高校は山の上にあった)するのは肉体的にきつすぎる。
もはや脱出は絶望的になり、駐輪場に止めてある鉄の塊を呪った。

何か突破口となるものはないか。俺は現場の状況を把握するために校門を見に行った。
すると教員が二人体制でしっかりと出口を固めていたが、完全に門を塞いでいるわけではなかった。教師は門を挟んで立っていたので、2メートルほどの間隔が空いていたのだ。

「これはもう、強行突破しかねぇ!」

俺は急いで駐輪場に行き、チャリに跨り走り出すと、検閲する教員を横目に校門を突き抜けた。







教員は驚き、唖然としていた。
謎の生徒が「大脱走」のマックィーンのように自転車を操り、荒々しく煙を立てて走り去ったのだから。
後ろで何か言う声が聞こえたが構わなかった。
下り坂を一気に駆け降り、追っ手が来ない事を知ると、後ろを振り返り「あばよ」と言って俺は空っぽの青春を駆け抜けた。


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// 02:03 // 私の過去 // Trackback(0) // Comment(6)
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